イントロダクション(はじめに)
本コーナーは、おそうじ機能つき教材ロボット「Beauto」(ビュート)を使って、様々なプログラムを作ったり本体を改造したりする方法について紹介して行きたいと思います。
おそうじ機能つき教材ロボット「Beauto」(ビュート)って何?
Beautoは、Robovie-iやRB2000のような二足歩行では無く、自動車のようにモータで車輪をまわして動く「台車型ロボット」です。
おそうじ機能付き教材ロボット「Beauto」(ビュート)
本体にモータで動く二つの車輪とキャスターを備え、前進・後退・左右旋回など自在に動くことができます。
また、「おそうじ機能付き」の名前は伊達ではありません。本体の裏面にモータで回るブラシとゴミを溜めるゴミ箱を搭載しており、走りながらブラシをまわして地面のゴミを掻きこんでお掃除します。
Beautoの裏面。掃除用のブラシとゴミ箱があります
更に、接触センサ・赤外線センサを搭載しており、掃除中に壁にぶつかったり机の端にたどり着いたら一旦バックしてからくるっと進行方向を変えて掃除を再開します。これにより、放っておいても机から落ちたり物にぶつかって動けなくならずに、自動的に机の上をきれいにしてくれます。
本体の組立ては、いくつかの部品のネジ止めとセンサやモータのコネクタを基板に差し込むだけなので、他のロボットキットと比べても非常に簡単に組み立てられます。
PC不要の簡単プログラミング
Beautoは本体にLCD(液晶ディスプレイ)と操作用のボタンを備えており、これを使って本体だけでプログラムを作成できます。
プログラムの作成は、「前進 0.2秒」「後退 1.3秒」「右旋回 2.0秒」「停止 4.0秒」のように、行動とそれに対する時間を設定し、これを複数連続して実行させる仕組みになっています。それぞれの行動中に掃除用のブラシをまわすかどうかを設定でき、例えば停止や後退の時だけブラシを止めるということもできます。
また、本体の接触センサや赤外線センサの値に応じて別のプログラムにジャンプさせることができ、例えば普段の掃除中に壁にぶつかって接触センサに反応が出た場合、「後退」「方向転換」のプログラムにジャンプさせて再び掃除のプログラムを再開させることもできます。
プログラムの作成にPCが必要ないので、お手軽にプログラム学習ができますね。
また、赤外線センサの取り付け方をちょっと変えるだけで、ライントレースのプログラムも応用で作成できます。
Beautoビルダーで高度なプログラミングも作成可能
もちろんPCと接続することもできます。BeautoはUSBケーブルでPCと接続でき、付属のソフトウェア「Beautoビルダー」から更に複雑なプログラムを作成することができます。
付属ソフトウェア「Beautoビルダー」。より複雑なプログラミングが可能
Beautoビルダーは、フローチャートを作成するように、「車輪制御」「ウェイト」「ループ」「条件分岐」などのブロック(タイル)を並べてそれを実行する順番で矢印で繋いでいくことで簡単にプログラムを作成できます。
見た目がフローチャートと似ているので感覚的に分かりやすく、また「条件分岐の中に条件分岐」など、Beauto本体のプログラムではできないような複雑な処理も可能です。
更に、作成したプログラムをC言語に変換してC言語学習のための参考にしたり、本体に接続しているセンサ情報を定期的にCSVファイルでPCに記録していく「ログ機能」などを備えており、可能性が大きく広がります(
C言語に変換されたソースは参照用であり、実際にコンパイルなどはできませんのでご了承ください)。
サーボモータやゲームコントローラも拡張できるスグレモノ
これまで紹介してきたようにBeautoは非常に簡単・手軽に扱えるロボットですが、実は高度な拡張性も持っています。それではBeautoの拡張機能について、一つずつ紹介して行きましょう。
●ギアボックスを組み替えてスピードアップできる
Beautoの車輪はモータで動きますが、モータと車輪の間にギアボックスが組み込まれており、ギアボックスの組み方を変更することでBeautoの走行スピードを上げることができます(走行速度は3段階に変更できます)。
ギアボックスを組み替えてスピードアップ(赤外線ボールトレースデモ)(動画)
また、本体のモータ自体をより高機能なものに取り替えることも簡単にできます。
●サーボモータがつながる
BeautoのCPUボードにはサーボモータ出力が4ch備わっており、ピンヘッダを自分で半田付けすることでサーボモータを接続して動かすことができます。
サーボモータを使うことで、ロボットアームを作ったり台車式の簡単なダンスロボットなんかも作れます。
サーボモータによるダンスロボットの作成。ぬいぐるみの中にサーボモータが入っており、Beautoで制御してダンスさせています(動画)
サーボモータの制御はBeautoビルダーから行ないます。
●ゲームコントローラがつながる
BeautoのCPUボードにはゲームコントローラ接続用のポートが備わっており、コネクタを自分で半田付けすることでゲームコントローラを接続できます。
ゲームコントローラの情報はセンサと同じように使うことができ、BeautoビルダーからBeautoをコントローラで操縦するようなプログラムも簡単に作成できます。
コントローラによるBeautoの操作。同時にサーボモータの拡張も行い、ゲームパッドで操縦してボールを掴むロボットです(動画)
●アナログセンサが追加できる
Beautoには6chのアナログ入力が備わっており、CPUボードのコネクタに接続することで使用できます。ノーマルの状態では接触センサ・赤外線センサが二つずつ備わっているので、後二つを追加できます。
当然元々備わっているセンサを取り外して別のものに組み変えることもできます。また、アナログセンサ入力の値はBeauto単体のプログラムでも6chすべて使えます。
例えば、赤外線センサをもう二つ追加し、それを本体前面180度に取り付けることで、赤外線ボールを追いかけるようなプログラムも作成できます。
●デジタル入出力が使える
Beautoには5chのデジタル入出力と2chのデジタル入力が備わっており、ピンヘッダを自分で半田付けすることでスイッチやLEDを接続できるようになります。
最後に
Beautoはロボットショップなどからお買い求めいただけます。販売価格は¥17,850で、赤外線センサやスイッチなど追加のセンサも合わせて販売しております。
ちなみに、2007年8月に開催された大阪市ロボット工作教室の教材としてBeautoが使用されました。こちらの教室のフォローアップサイトもぜひご参照ください。
また、2007年10月発売のロボコンマガジンNo.54に、Beautoに関する詳しい紹介記事が掲載されています。そちらもぜひご覧ください。
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